【ゲーム論】MMORPGと非戦闘系コンテンツ


日本に来そうで来ない『メイプルストーリー2』。

紹介動画を見る限り、バトル意外にもさまざまのコンテンツがあって凄く楽しそうなんだけど、実際は、レベリングに関係ないコンテンツが遊びこまれることは無く、あっという間にコンテンツ不足に陥ったらしい。

今回はMMORPGにおける非戦闘系コンテンツの在り方について考えてみたいと思う。




無視されがちな非戦闘系コンテンツ

僕は今から9年ぐらい前に、約半年もの間、エバークエスト2の世界とほぼ一体(廃人)になっていた時期がある。その時は、特にハウジングに嵌っていて、ゲーム内の収入の半分以上を家具の購入に費やしていた。


ただ、エバークエスト2自体は2004年の発売と同時にプレイをしていて、その時はハウジングに何の価値観も見出すことが出来ず、休止するまでの数か月間、ひたすらレベリングをしていた。

でも、これって仕方の無いことだと思うんだよね。

EQ2のハウジングって作っても有利になるわけじゃないし、外から見えるわけでもない。他人の家を見る機会は、マーケットの手数料を節約する際に直接買いに行く時ぐらいしかない。

復帰後にハウジングに嵌ったのも、今度はクエストを1から全てクリアしようと思い、その報酬で手に入った大量のハウジングアイテムを綺麗に飾ろうとしたのが始まり。クエストを全てクリアしようと思ったのも、新たに追加されたシステムの都合上、レベルを上げすぎずにクエストを消化した方が俺ツエーを楽しめるからで、そうじゃなければハウジングに触れることも無かったと思う。

このことから言えることは、どんなに素晴らしく、やり込めるコンテンツであっても、その魅力に気が付けなければ意味が無いということだ。


プレイヤーがMMORPGに求めるもの

そもそも、プレイヤーは何を求めてMMORPGをプレイするのだろうか?

ロールプレイとは本来、役割を演じることを表す言葉だけど、そこにゲームが付くと意味合いが変わる。ゲームの場合、プレイヤーは自らの意思で登場人物を動かすことが出来るけど、キャラクターになり切る必要は無いし、感情移入すら必要ない。そうなると、もはやロールプレイをロールプレイングゲームの定義には出来ないだろう。

では、ロールプレイングゲームの定義とは何なのか。僕は『戦闘』と、それに関わるキャラクターの『成長』だと思っている。

と言っても、これはあくまでも感覚的な話で、僕も結構あいまいだったりする。RPGには『世界観』だったり、『ストーリー』なんてのもあるけど、それらが無くても『RPG』と呼ぶし、戦闘が無ければアドベンチャー、戦闘だけで成長が無ければシミュレーターの方がしっくりくる。

これはMMORPGにも言えることで、生活系コンテンツが無くてもMMORPGとして成立するし、バトルコンテンツが無ければMMORPGとは言えない。つまり、『戦闘』とそれに関わる『成長』の要素意外は+αに過ぎないのだと思う。そこで重要となるのが、非戦闘系コンテンツをいかにバトルコンテンツに絡めるかということだ。


Troveと非戦闘系コンテンツ

Troveではメインとなるバトルコンテンツ以外に、複数のコンテンツが存在していて、それらをプレイして得られる報酬が、アバターやマウントといった、見た目に関わる物となっている。

ただ、それは見た目だけじゃなくて、手に入れることでマスタリーポイントというものを得ることが出来、ポイントが100溜まるとマスタリーランクが上昇する。

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マスタリーランクは、一定値まで上がるごとに、報酬のアイテムを貰えるほか、プレイヤーのステータスをわずかに上げることが出来る。

このゲームでは1つのキャラクターで複数の職業を別々にレベルを上げることが出来、このマスタリーランクはその職業ごとのレベルとは別のキャラクター単位のレベルだといえる。

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このエンブレムの周りの翼がマスタリーランクで、中の赤い丸がその職業の強さを表すパワーランク。それぞれ高くなるほど見た目が豪華になる。強さとやり込み具合が一目でわかるので、プレイヤーのモチベーションにもつながる。こんな風に一見戦闘に関係ないコンテンツも、戦闘に関わる『成長』の要素を含んでいる。

ただ、戦闘と関係ないコンテンツにステータスボーナスをつけるということは、最終的にやりたくないコンテンツもやらなければならないということになる。

そこで、Troveでは曜日ごとに、各種コンテンツに対するボーナスを付与している。これにより、プレイヤーにお得感を与え、進んでプレイさせることでストレスを感じにくい作りを実現している。

このような作りはTroveだけではなく、それ以前から実施しているゲームもあった。


マビノギと非戦闘系コンテンツ


マビノギでは、生活系コンテンツのほとんどがスキルを通じて触れる仕組みになっていて、スキルレベルを上げることで、ステータスボーナスを貰うことが出来る。

スキルには対応する武器(道具)があり、それを装備することでスキルを利用することが出来る。だから、明確な職業というのは分かれていないけど、Trove同様、職業のレベルと、キャラクターのレベルが分かれている感覚に近い。

曜日ボーナスが存在するのも同一。

また、今回のテーマから外れるけど、マビノギではキャラクターのレベルを上げることでスキルポイントを取得し、それを使ってスキルを強化することができる。そして、レベルを上げるのに必要な経験値は指数関数的に上昇する。これはリアルタイムで一定日数経過することで、転生を通じてレベルをリセットすることが出来る。

これにより、時間の無いライトプレイヤーが廃人との成長速度の差に萎えることを防ぎ、逆に時間対効果の部分で満足感を得ることが出来る。また、廃人があっという間にコンテンツを消化してしまうのを防ぐことも出来る。
※サービス開始からだいぶ時間が経っているので、事情が変わっているかもしれない


最後に……

MMORPGに何を求めるかは人それぞれだけど、『戦闘』とそれに関わる『成長』要素は全てのプレイヤーに共通する項目だと思う。

非戦闘系コンテンツは、MMORPGと最も相性のいいコンテンツだとは思うけど、その魅力に気が付くことが出来なければ意味が無い。非戦闘系コンテンツ自体に、戦闘に関わる『成長』要素を加えると、プレイヤーの遊びの幅が広がり、やり込み要素が増えるというメリットがある。

しかし、最終的にプレイする必要が生まれ、モチベーションを下げる可能性がある。これは、以前書いた『MMORPGにおける効率と前提条件』の『大航海時代の職業システム』に通じるものがあると思う。

プレイヤーが自ら強制するのではなく、自ら好んでプレイするような仕組みをシステム側で用意することが重要なんだと思う。

メイプルストーリー2に関しては、どんなゲームなのかさっぱり分からないんだけど、MMORPGにとって、始まりは一番人が集まる時期だから、待ち遠しくはあるけれど、十分納得の良く出来になってから来てほしいと思う。

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